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開発&コンサルティング

2-6 業務改革と共に、経営の骨組みの再構築を行えば完璧となる

通常、業務改革は中期経営計画の達成を目的に行う場合が多いです。中期経営計画は企業の成長発展を目指した2~3年間の計画であるため、当然、今まで取り組んだことのない新規業務や新規事業に取り組むような計画になっています。

新規業務や新規事業に取り組むのに人や時間が必要ですが、新たに人を採用するのではコスト高となってしまいます。そこで、これを企業内部から生み出すために、現状業務を効率化するわけです。

したがって、業務改革活動は業務効率化活動と並行して行い、業務効率化によって生み出した人や時間を強化業務や新規業務、あるいは新規事業などに再配置し、中期経営計画が確実に実施できるようにするのです。

ところが、これまで、多くの企業で業務改革のコンサルティングを行っておりますが、ほとんどの企業では中期経営計画が何の根拠もなく立案されているのです。つまり、これといった経営戦略もなく、単に同業他社の真似であったり、景気に左右された内容であったりと場当たり的に立案されているのです。

また、組織や人事制度についても中期経営計画を実施できるようになっていないため、計画どおりに実施できないのです。要するに、中期経営計画が絵に描いた餅になっているのです。

このため、業務改革活動を行っても、業務改革の目的である中期経営計画が達成できなかったり、たとえ計画どおり実施できたとしても、業績の向上には結びつかなかったりする企業が多かったのです。これでは何のために時間とコストをかけて業務改革活動を行ったのか分かりません。業務改革活動そのものがムダとなってしまいます。

また、そもそも、経営戦略をどのように策定するのか分からないという企業もあります。また、事業領域さえ定めないまま、思い付きや景気に左右されて事業を行っていたり、また、経営戦略や事業領域とは関係なく中期経営計画を立案していたり、経営計画とは関係なく、人を基準に組織が作られていたりするのです。

人を基準に組織が作られるのは日本の企業の特徴だと思います。多くの日本の企業組織は仕事(業務)を基準に作られているのではなく、人を基準に作られているのです。このため、経営計画が計画通り実施できないのです。よって、いろいろな事業を行っても失敗を繰り返す企業もあるのです。これでは当然、企業は成長・発展しませんし、人も技術も育ちません。また、技術も蓄積されません。

そこで、業務改革活動を実施する際に、経営の骨組みを見直し再構築すれば、業務改革の目的である中期経営計画が確実に実施され、業績の向上に結びつけることができるのです。

しかしながら、業務改革はあくまで業務の再構築であり、経営戦略や事業領域の再構築ではありません。まして、組織の再編成でも人事制度の再構築でもありません。そこで、あまり時間をかけずに、これら経営の骨組みの見直しを業務改革活動に組み入れれば良いのです。

したがって、経営者(社長・役員)が中心になって、時間をあまりかけずに経営の骨ぐみの再構築を行えば良いわけです。このためには、まず、自社のあるべき姿を確認し、経営理念を見直して、経営環境の分析を行ってから、

経営戦略の見直し⇒事業領域の見直し⇒中期経営計画の見直し⇒経営計画の見直し⇒組織の再編成⇒人事制度の見直し

と進めれば、中期経営計画がきちんと設定でき、計画通り実施できるので、業務改革活動の目的である中期経営計画が確実に達成できるのです。

Ⓒ 開発コンサルティング

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