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2014年版中小企業白書は永久保存版です。(1)
第99回 2014年版中小企業白書は永久保存版です。(1)
なぜ、永久保存版なのか、それは中小企業庁の次のあいさつ文を読めばお分かりかと思います。
『この度、「小規模企業振興基本法」が成立いたしました。2014年版中小企業白書は、小規模事業者に特に焦点を当て、データや分析などで実証的に小規模事業者の実態や課題を明らかにする内容となっております。
今回の白書では、アンケート調査に基づき、初めて小規模事業者の構造を分析し、その目指すべき事業活動の範囲や抱える課題を明らかにするとともに、起業・創業、事業承継・廃業、海外展開、新しい潮流というテーマに沿って実態や課題を分析しております。
また、中小企業・小規模事業者385万者にどう支援策を届けるのかという重要な問題に対しても、中小企業や中小企業支援機関、自治体等にアンケートを行い、国・都道府県・市区町村の施策を検索・比較・一覧できる「施策マップ」や地域の中核企業(「コネクターハブ企業」)を企業間取引のビッグデータから探し出すシステムの開発等、これまでにない斬新かつ具体的な施策をいくつも盛り込んでいます。
今回の中小企業白書は、51年間の歴史の中で最も分厚い白書ですが(約800頁)、 各章がそれぞれ独立して書かれているので、読者の皆様の関心に応じて、お読みいただければ幸いです。』
そして、その内容は、次のようになっています。
『第1 部では、最近の中小企業・小規模事業者の動向について分析し、第2 部では、より中長期的
な観点から、中小企業・小規模事業者が直面する経済・社会構造の変化(人口減少、地域の抱える
課題等)について分析を行う。これらを踏まえた上で、第3 部で、五つの柱(小規模事業者の構造
分析、起業・創業、事業承継・廃業、海外展開、新しい潮流)に従って、現状分析と課題抽出を行
うと共に、それぞれについて具体的な政策提言を行う。
さらに、第4 部では、中小企業・小規模事業者385 万者に施策を届け、効率的かつ効果的に支援
していくため、支援の在り方の分析を行う。』
よって、第3部が最も重要な部分ですが、「白書概要」をそのままコピー&ペーストして掲載しますので、詳しく知りたい人は白書を読んでください。
第1部 平成25年度(2013年度)の中小企業・小規模事業者の動向
- 我が国の景気は、緩やかに回復しており、中小企業の業況も持ち直している。
- 他方で、小規模事業者の景況は全規模、中規模と比較して低い水準にある。今後、こうした小規模事業者にも景気回復の実感を届けていくことが必要。
- GDP成長率の内訳を見ると、消費、公需、輸出、設備投資が成長を牽引。今後、企業活動が活発化し、設備投資が本格的に経済成長を牽引する「好循環」を実現することが課題。
第2部 中小企業・小規模事業者が直面する経済・社会構造の変化
第1章 我が国の中長期的な構造変化
- 日本は、2011年から本格的な人口減少社会に。2005年から2010年までの人口増減率を見ると、三大都市圏及びその周辺都市、福岡県、沖縄県以外は、人口減少。(沖縄県は自然増加率のみの上昇。)
- しかしながら、2040年には、すべての都道府県で人口が減少。とりわけ秋田県、島根県、高知県では、高齢者人口まで減少し、加速度的に人口が減少する局面に突入する。
- 今後の中小企業政策の立案に際しては、このような不可逆的な人口動態、及び、厳しい国内の経営環境を前提とした上で、「いかに中小企業・小規模事業者が生き残っていけるか」、中長期的な観点から戦略的に考えていく必要あり。
- 日本は、今後、人口減少が加速度的に進展。東京圏でも2040年には、1人の高齢者に対し1.5人の若者という高齢化社会(2010年の秋田県と似た人口ピラミッド)となる。
- 一方、我が国で高齢化率が最も高い秋田県は、2040年には、人口構成が世界でも類を見ない超高齢社会(カクテルグラス型)となる。
- 人口減少・高齢化が進む中、経営者も高齢化し、これまでと比較しても、70歳以上の年齢階級が最も多い。
- 中小企業・小規模事業者の企業数も減少が続き、直近の3年間で35万者減少。
- 製造業の設備投資は、リーマン・ショックまでは国内・海外ともに増加。リーマン・ショック後、景気は急激に落ち込み、国内投資・海外投資ともに減少。その後、2010年からの景気拡張局面では、国内投資は伸び悩むも、海外投資は着実に増加。
- この10年間で、製造業の給与所得者数は減少(265万人減)に対し、サービス業の給与所得者数は増加(285万人増) 。一方、平均給与は、製造業は微増(2万円増)に対し、サービス業は大幅に減少(46万円減)。
- 情報技術の発展は著しい。携帯電話の世帯保有率は既に9割超となっており、スマートフォンやタブレット端末も、この3年間で急速に普及。これに伴い、消費者の行動も、店頭販売からネット販売へと変化しつつあり、個人向けEC市場も拡大傾向。
- しかしながら、小規模事業者は、この機会を十分に活かせていない。小規模事業者の半数以上が自社のホームページを持っておらず、自社サイトでの製品販売・予約受付は1割程度、ネットショップ等への出店・出品は1割を切っている。
第2章 地域の抱える課題と地域活性化
- 地域活性化の切り札となり得る地域資源は、どの都道府県・市区町村も有しているとの認識。とりわけ、市区町村では、「農水産品」「観光資源」と答えた自治体が多い。
- 地域資源として都道府県が指定した件数割合は「観光資源」が約半数を占めているが、事業計画として認定(活用)された件数割合はわずか7%。→今後、さらなる活用の余地あり。
- 事業計画の申請は95%が単者での申請。→地域活性化のため、複数者での地域資源の活用を促進すべき。
- 人口減少等で需要が縮小する地方経済にとって、観光、とりわけ外国人観光客の誘客による「外貨」獲得は、地域活性化の一つの方向性。
- 外国人観光客は、我が国の食文化や温泉、自然などに関心あり。有名な観光資源がない地域であっても、食文化を中心に、エコツーリズムや農林業・漁業体験などによって、外国人観光客を引きつけることは十分に可能。
- 我が国への観光客は、2013年に初めて1,000万人を突破。しかしながら、フランス、アメリカ、中国、韓国等に比べると、外国人観光客は少なく、まだまだ可能性はある。地域を挙げて、外国人観光客の受け入れ態勢を整えることが必要。
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