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開発&コンサルティング

第31回 会社は経営者のものではない

会社は誰のものか、についてはいろいろな考え方がある。最近の経営者をみると会社は経営者のものと考えているように思えるがそんな考え方はない。

会社は誰のものかについては主に次の3つの考え方があります。

1.会社は所有者(株主)のもの

会社は所有者すなわち株主のものというのは当たり前だろう。だから、株主は会社で一番偉いのだ。あなた様は株主様、はは~ッ。という考え方です。

2.会社は会社のもの

株主がなんぼのもんじゃい。大会社なら、何万人、何十万人の株主で1つの会社を所有しているんだろうが。株主だなんて言ったって、持ち分は事務机1つぐらいじゃないの。しゃらくせえ。会社は会社のものに決まってらぁ。だから、会社が儲けりゃその利益は会社のものになるのよ。株主配当も会社が決めてるだろうが。という考え方です。

3.会社はみんなのもの

会社は誰のものでもないさ。株主、債権者、経営者、従業員、お客様などみんなのものさ。なぜなら、会社はみんなが協力しなけりゃ存続出来ないからさ。という考え方です。

ところが、会社を実際に支配運営しているのは、経営者なのです。経営者は会社を好きなように経営することが出来ます。そこで、いつのまにか「会社は経営者のもの」と考えてしまうのです。会社が儲かれば私腹を肥やす。一方、会社が大損すれば「飛ばし」という方法で他社にその損を移し替えてしまう。挙げ句の果てに、簿外債務にして隠してしまう。

昔のバブル崩壊の時のニュース映像に必ずと言っていいほど出てくる、山一証券はカリブ海の小さな島に実態のない会社を作って債務を隠しておいたそうです。その昔、シカゴのマフィヤが大金を隠すために同じような手口を使ったとか。だから大蔵省の検査でもわからなかったのです。

また、経営者は、株主が株主総会で経営上の問題点を指摘しようとすれば、総会屋を雇ってそれが出来ないようにしてしまうのです。株主総会の時間が短い会社はその可能性大です。となると、ほとんどの会社がそうなっていますね! 皆さん、投資するなら株主総会の時間が長い会社にしましょう。就職先を決める時もそうですよ。

ところで、総会屋はづっと昔から問題となっていました。そのため、これまで何度も商法の改正が行なわれたのです。公認会計士の監査業務も強化されました。でも、やっぱり、総会屋は無くならないのです。なぜなら、総会屋に少し金を払えば経営上の問題点を隠すことができるので経営者にとってはたいへんに都合が良いからです。

かの有名な大泥棒、石川五右衛門が言ったとか、言わなかったとか、「浜の真砂が尽きるとも世に総会屋の種は尽きまじ」と。ところで、総会屋とは反対に、経営コンサルタントというのは経営者にとってたいへんに都合の悪い人物なのです。経営上の問題点を指摘して、こう直せ、あぁ直せ、とうるさく言うからです。

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