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開発&コンサルティング

第29回 自分で枠を作ってしまい、無限の可能性に気付かない

井の中やお釈迦様の手の中から飛び出すためには、いろいろな見方考え方を知ると同時に、無心になってそのことだけに没頭してみると良いと思います。

前回は次のような問題を出題いたしました。

次の問題に挑戦して見てください。この問題は私が作った問題ですが、まだ1人も解いた人はおりません。

問題:下図の9つの点を5つの直線で一筆書きで結ぶと何通りの結び方が出来ますか。ただし裏返したり、角度を変えたりしても同じ結び方の場合は一通りとみなします。

回答ですが、9つの点で囲む四角の枠の中では次のようにいろいろ考えられますが、これらは回答の1部にすぎません。ちなみに、1番目の回答は回答例の角度を変えたものです。

次のように枠をはみ出せば4本の直線でも結ぶことが出来ます。したがって、5本なら無限の可能性がある訳です。よって、答えは「無限通り」になります。

この問題は自分で枠を勝手に作ってしまい、無限の可能性に気づかないという事例です。実際の仕事でも同じようなことがたくさんあるのではないでしょうか。

例えば、テレビでおなじみの黒柳徹子さんが幼稚園に通っていた頃の話です。お絵描きの時間に黒柳さんは最初は画用紙の上に絵を描いていたのですが、そのうち、画用紙をはみ出して、机の上にお日様や雲の絵を描いていったそうです。さらに、机をはみ出して、床の上にいろいろな絵を描いていったそうです。1人だけ教室の中をあっちこっち動き回りながら絵を描いていたそうです。きっと、無心になって、絵に没頭していたのだと思います。先生はこの様子を見て、次回のお絵描きの時間から、机を片付けて、床の上にみんなで自由に描くようにしたということです。すばらしき教育だと思います。こういう教育が私たちには欠けていたのではないでしょうか。

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