人は自分で、在りもしない条件や思考の壁を作ってしまい、問題解決を自ら難しくしているものである。解答を見てから、なんだそんなことなら俺にもできると言う、いわゆるコロンブスの卵がその良い例である。
前回次のような問題を出題してみました。
下の絵にあるように2つの木片が組み合わされています。もちろん壊さないで外すことが出来ます。どのような構造になっているのでしょうか。
この問題の答えは、次の4つが考えられます。どれでも正解です。(下側の木片を上から見た図です。隠れ線は省略。)
実はこの問題は、上場企業の幹部(課長以上)を中心に、数千人の人たちに出題してみました。その結果、回答できた人は全部で数十人しかおりませんでした。しかも、できた人のほとんどはこの問題を以前から知っていた人たちでした。千葉大学の多胡教授の『頭の体操』にでている問題だからです。自力で回答できた人は数千人のうち数人しかいなかったのです。なぜ、このように一見簡単そうに見える問題が出来ないのでしょうか。それは自分で在りもしない条件や思考の壁を作ってしまうからです。なぜなら物事の本質を捉えようとしないで、概観や直感で判断しているからです。
つまり、四角い物は四角でしか考えない、三角や丸では考えないようになっているからです。人や仕事を評価する場合も同じではないでしょうか。問題解決や改善・開発・改革にはこのような思考の壁を作らないようにすることが必要です。そのためには、人の考え方を変革(チェンジ)することです。その支援をするのがコンサルタントの仕事です。
では次の問題に挑戦して見てください。この問題は『頭の体操』に出ている問題をヒントに、私が作った問題ですが、まだ1人も解いた人はおりません。
問題:下図の9つの点を5つの直線で一筆書きで結ぶと何通りの結び方が出来ますか。ただし裏返したり、角度を変えたりしても同じ結び方であれば一通りとみなします。回答は次回。
ヒント:前回の問題をもう1度考えてみてください。
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