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開発&コンサルティング

第3回 斬新なアイデアは先人のアイデアを基にして生まれる

今回はコンサルティング・ノウハウをちょっとだけ公開します。新製品開発にしろ、コスト削減にしろ、業務改革にしろ、企業に必要なのは常に斬新なアイデアです。しかし、この斬新なアイデアを生み出すことがなかなかできません。

世の中には発想法と称するものがいろいろありますが、ほとんど使われておりません。比較的使われているものといえば、ブレーンストーミング(BS)法とKJ法ぐらいでしょう。また、ある発想法によって画期的な新製品が生まれた、という話もあまり聞きません。これはいったいなぜでしょう。それは、

  1. 発想法を習得するのがたいへんで、しかもあまり効果が期待できないから。
  2. 固有技術がないのに、発想法を学んだからといって良いアイデアが生まれるわけがないから。

といったところでしょう。ところで、エジソンの時代から現代に至るまで、良いアイデアというものは発想法によって生まれたわけではないのです。発想法というのは発想の手助けをしてくれるものですが、発想の種が自分の頭の中になければ良いアイデアは生まれません。そもそも限られた記憶を頼りに画期的なアイデアをひねりだそうとすることが間違いなのです。

では、何が必要かといえば、まず、その道の第一人者になることです。その道で世界一になることが先決なのです。当然のことです。それをしないで画期的なものを生み出そうとしても無理です。皆さんは、そんなことは分かっていると言うでしょう。分かっているが簡単にはできないと言うでしょう。ところが簡単にできるのです。それが私のコンサルティング・ノウハウなのです。

  1. 課題を決めたら徹底的にブレイクダウンをする。大きな課題でもごくごく小さな課題の集まりに置き換えてしまうのです。
  2. 1つ1つの小さな課題について、あらゆる分野から具体的な情報を集めるのです。課題が絞られればこんなことは簡単にできます。そうすればその課題については世界で第一人者になれるのです。

事例を挙げましょう。製品を設計する時に、必ず直面する課題の1つに、「AとBの結合方法を決める」というのがあります。しかし、結合方法について何でも良く知っている人はいません。結合方法の専門家なんていないからです。しかし、機械工学、電気工学、情報工学、物理学、化学、医学、生物学、等々あらゆる分野にいろいろな結合方法があります。日常生活の中にもスポーツや趣味の世界にもいろいろあります。ですから、調べればたちまち数百数千の結合方法が見つかります。

ある1つの小さな課題について世界の第一人者になったら、発想法が生きてくるのです。1人で好きな発想法を心ゆくまで試してみてください。ルールは必要ありません。なにしろ、1人ですから。何しろ、世界であなた以上にその課題について知っている人はいないのですから。

さらに、この方法を数人で行えば、いろいろなアイデアをたくさん出すことができます。そのためには、

  1. 分野ごとに手分けして調査を行う。
  2. 調査結果を、お互いに説明して共有する。
  3. いろいろなアイデア発想法を使って発想する。

このアイデア発想法は新製品開発や製品のコスト削減などのコンサルティングに活用しています。この方法は私が開発したのでどの本にも書かれていません。この方法の特徴は、誰でも簡単にできることと、効果が非常に大きいことです。なぜなら、その課題に対して世界一の知識を得たうえで発想するので、多くのアイデアが出るのです。

この方法は課題を機能別に分解し、1つひとつの機能別に、機能を果たす方法をあらゆる分野で調査し、そのうえで、機能別にアイデア発想するので、「機能別方法調査」と呼んでいます。

「すべてのアイデアは先人のアイデアを基に生まれる」「アイデアと言うものは過去のアイデアの応用、又は組み合わせに過ぎない」ということを忘れてはいけません。文明はアイデアの蓄積によって作られたのです。無から有は絶対に生まれないのです。

Ⓒ 開発コンサルティング





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