J.A.シュンペーターは、『経済発展の理論』において、新結合(イノベーション)こそが経済発展の原動力であるとし、その担い手が企業者(アントレプレヌール)であるとしました。
シュンペーターによれば、新結合(イノベーション)とは、次の5つを含んでいます。
なお、財貨とは分かりやすく言えば製品のことですが、サービスも含むと考えられます。シュンペーターの「含んでいる」「含む」という曖昧な言い方は、その他にもあることを示唆しています。
さて、シュンペーターの言う新結合(イノベーション)は、考えてみれば各社が日常業務として取り組んでいることです。すなわち、新製品や新サービスの開発、品質の向上、新しい生産方法や販売方法の開発、新市場開拓、新しい仕入先や購買先の開拓、組織の戦略的連携などです。
よって、これらの取り組みがこれまでにない画期的なものであれば、革新(イノベーション)と呼ばれるわけです。
したがって、イノベーションとは、分かりやすく言えば、これまでにない画期的なものを生み出すことを言います。ちなみに、通常、イノベーションは技術革新と訳されますが、技術でなくても画期的であればイノベーションなのです。つまり、イノベーションはあらゆる分野における革新を意味する言葉なのです。
また、シュンペーターによれば、「われわれが企業と呼ぶものは、新結合の遂行、及びそれを経営体などに具体化したもののことであり、企業者と呼ぶものは、新結合の遂行を自らの機能とし、その遂行に当たって能動的要素となるような経済的主体のこと」です。
つまり、簡単に言えば、シュンペーターによれば、企業とはイノベーションを遂行する経営体のことであり、企業者とはイノベーションを遂行する者のことです。
ちなみに、企業者は今日では企業家と呼ばれています。起業家という人もおりますが、筆者は企業家と呼んでいます。企業家はシュンペーターの定義に従えば、イノベーションの遂行者のことを言います。つまり、革新者のことです。一方、起業家は新しく事業を起こす人を言います。
企業と起業とは意味が異なります。企業とはシュンペーターの定義に従えば、イノベーションの遂行を具体化した経営体(組織)のことです。また、広辞苑によれば、「企業とは生産・営利の目的で生産要素を総合し、継続的に事業を経営すること。また、その経営の主体」であり、「起業とは新しく事業を起こすこと」です。
さて、企業家がイノベーションを遂行する動機とは何でしょうか。シュンペーターは次のように書いています。
つまり、イノベーションを遂行する動機は、私的帝国を建設するため、闘争して勝利を得るため、そして創造の喜びのためなのです。この3つは、一般に、企業家精神と呼ばれています。
多くの人が企業家精神について書いたり、述べたりしていますが、企業家精神とは何かという明確な定義はありません。よって、シュンペーターが書いたイノベーションを遂行する動機が企業家精神と呼ばれているのです。
イノベーションを遂行する動機で分かるように、企業家は利潤追求のためにイノベーションを遂行するわけではありません。つまり、金持ちになりたいのではないのです。ひと言で言えば、創造の喜びを味わいたいのです。そして、闘争して勝利し、私的帝国を建設したいのです。
さて、「不況なくして経済発展なし」と言いますが、企業家の特徴は不況が大好きなことです。また経営環境の変化が大好きなことです。なぜなら、不況の時こそ、また、経営環境が変化する時こそ、誰もがイノベーションを望むので企業家の出番だからです。
経営戦略としてイノベーションを実施する理由は、一口で言えば、グローバルな経営環境の変化に対応するためです。なぜなら、現在では、グローバルな競争が激化し、環境が激しく変化しているため、各国の企業はこぞってイノベーションを実施しているからです。
したがって、日本でもイノベーションに取り組まないと競争に負けてしまうのです。既に書きましたが、米国の経営戦略論の結論もイノベーションです。
ところが、前回、説明しましたように、現在の日本の経営戦略の策定方法ではグローバルな経営環境の変化に対応できないのです。つまり、イノベーションに取り組めないのです。
と言うのも、日本の経営戦略の策定方法は、日々変化する環境に対応するために、日々の業務を通じて、中間管理職が各部門の戦略、すなわち機能別戦略を立案し、それらを経営者が統合して会社全体の経営戦略にしているからです。
つまり、日本の経営戦略の策定方法は日々の業務を通じて策定するので、グローバルな経営環境の変化に対応できないのです。なぜなら、この方法ではグローバルな経営環境の変化に気づかないからです。その結果、身近な改善や開発しかできなくなってしまうのです。やはり、経営者がグローバルな経営環境の変化を察知して、経営戦略を策定しなければなりません。
また、画期的な新製品開発や新事業開発を行わないと、世界の企業には勝てません。したがって、どうしても経営戦略としてイノベーションを実施する必要があるのです。
実は、企業によっては、やる気のある中間管理者が画期的な新製品開発や新事業開発に取り組むことがあります。この場合には、通常、スタートアップ時にはできるだけ周りの人たちに知られないように、こそこそと行うのです。そして、成功しそうになったら、実はこんなことを行っていましたと発表し、トップの承認を得て、改めて社内ベンチャーを立ち上げるのです。
このような進め方をする企業があるのは、イノベーションにはリスクが付き物なので、必ず反対する人たちがいるからです。また、イノベーションの実施を邪魔する人もいるのです。よって、このような方法では失敗する確率が高くなります。
そこで、経営者が経営戦略としてイノベーションを実施することを決めれば、反対する人たちも邪魔はできませんし、会社全体で支援しなくてはいけないので成功する確率が高くなるのです。
欧米の経営戦略論の最後の結論はイノベーションですが、これについては日本でも全く同じです。それどころか、日本こそイノベーションを実施しなければならないのです。なぜなら、チャレンジャーとして世界一を目指すなら他に方法はないからです。しかし、欧米のように、「やってみなくちゃわからない」「試行錯誤」では、経営戦略としてのイノベーションの実施方法とは言えません。
では、どうすれば経営戦略としてイノベーションを実施できるのでしょうか。重要なのは、どのようなイノベーションを実施するかよりも、経営戦略としてイノベーションを実施できるかです。なぜなら、日本ではイノベーションを経営戦略として実施するのは非常に難しいからです。と言うのも、既に書きましたように、日本では経営戦略を多数決で決めているからです。
多数決で決めれば、たとえ策定した経営戦略が間違っていても、あるいはそれを実行して失敗しても誰の責任にもならないからです。しかし、この方法では経営戦略としてイノベーションを実施することはできません。イノベーションは多大なリスクを冒さなければ実施できないからです。
つまり、イノベーションを実施しようとすれば、必ず反対する人が大勢いるからです。したがって、既に説明しましたように、経営戦略を決めるための会議を廃止・削減すると共に、経営者が自分の責任で迅速に経営戦略を決めなければならないのです。そうすれば、他の役員全員が反対したとしても、経営者の独断で迅速にイノベーションの実施を決めることができます。
さて、ここで、改めて欧米のイノベーションの実施方法について書いておくことにします。欧米では、大きな利益が得られそうだと思ったら、どんなにリスクがあっても必ず実施します。なぜなら、彼らは狩猟民族だからです。獲物を獲るためにいつも戦っていたからです。よって、獲物が獲れそうだと思えば、どんなに危険があっも必ず戦うのです。そうしなければ生きていけないからです。
欧米人の心の中には、現在でも狩猟民族の血が流れています。それに対して、日本人は稲作を中心とした農耕民族なので、危険を冒さず、計画的にコツコツと仕事を行うのです。したがって、どうしても欧米人との戦いには負けてしまうのです。
欧米の戦略論の結論は、「やってみなくちゃわからない」ですが、日本では、「やってみることもしない」のです。だから、欧米に負けるのです。よって、やってみる必要があるのです。
さて、経営者が迅速に経営戦略を決める方法について説明しようと思います。意思決定に関してノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモンは、『意思決定の科学』でプログラム化しうる意思決定とプログラム化しえない意思決定があるとしました。そして、プログラム化しえない意思決定は直観や目の子算によって行われるとしました。
つまり、経営戦略にかかわる意思決定はプログラム化できないため、直観によって行われるということです。
サイモンは現代のプログラム化しえない意思決定(発見的問題解決)には意思決定者の訓練、又は発見的問題解決ができるコンピュータ・プログラムの作成が必要だとしていますが、いずれも未だにできていません。
まず、意思決定者の訓練についてですが、例えば、ハーバード・ビジネス・スクールは専門経営者養成の学校として設立され、専門経営者、すなわち経営戦略策定者の養成を行っています。しかし、未だに、その成果が明確には出ていないのです。
次に、発見的問題解決ができるコンピュータ・プログラムについてですが、現在のコンピュータはAI(人工知能)を活用して新しい音楽や絵画の制作も行っています。しかし、それらは過去の音楽家や画家の経験を基に過去の延長で作られるものであり、創造とは言えません。戦略の策定は創造であり、やはり人間でなければできないのです。
したがって、たとえ、AIを活用して経営戦略の策定ができたとしても、それは、単なる過去の延長に過ぎないものになってしまうでしょう。つまり、サイモンが言うように、経営戦略の策定は人間が直観によって行うしかないのです。
そこで、日本の企業における経営戦略の策定は、日本で昔から行われている、K(経験)、K(感)、D(度胸)によって行うのが、最も適している方法だと筆者は考えます。この方法は科学的ではないので、「いいかげんな方法」として捉えられておりますが、欧米の「やってみなけりゃわからない」より、ましだと思います。
この場合の経験は企業としての経験と、経営者としての経験です。また、感と度胸は経営者の個人的なものです。つまり、企業と経営者のこれまでの経験を基に、経営者の感と度胸で経営戦略を策定するのです。要するに、過去の経験を基に、今後の戦い方を経営者の感と度胸によって決めるのです。したがって創造なのです。
そこで、まず、自社の過去の経験を整理します。つまり、自社の歴史を経営戦略を中心に整理するのです。いつ、どのような経営環境のもとで、どのような経営戦略を策定し、それを実行して、その結果どうなったのか、です。
その際に、自社だけでなく業界全体の動き(分かれば他社の戦略)も一緒に整理しておくと、役に立ちます。また、過去の経営戦略の策定にどのような情報が必要だったのか、また、それらがどのように影響したのか、などを明確にしておくと今後の戦略策定に役に立ちます。
ちなみに、SWOT分析のように、現在の経営環境だけを分析してもダメです。何事も将来の見通しを立てるには過去の経験が重要なのです。ただし、過去の延長では戦略ではありません。戦略の策定は創造なのです。
ところで、企業の過去の経営戦略の歴史はその企業の環境適応能力を表しています。よって、これをよく吟味して、これまでどこが問題だったのか、どこをどう変えれば良かったのかを検討して、今後の戦略策定の参考にするのです。
過去の自社の経営戦略の歴史を整理したものを筆者は戦略マップと呼んでいます。戦略マップは過去の戦略を可視化して、今後の戦略策定を容易にしたものです。したがって、過去の戦略上の問題点や今後の課題が確認できると同時に、今後どのような戦略にすべきかの選択肢が見えてきます。つまり、どのようなイノベーションを実施すべきがが分かります。
イノベーションを実施してうまく行くか行かないかは、欧米の経営戦略論の結論が示すように、やってみなければ分かりません。しかし、その際に、将来を見通す感があれば、うまく行く可能性が高いのです。感というものは、過去の経験によって培われるものです。
将来を見通す感を養う方法は経験以外にありません。スポーツだけでなく、仕事でも勘を養うには経験が必要なのです。したがって、少なくともこれまでの自社の経験を整理しておく必要があるのです。そのうえで、経営者のこれまでの個人的な経験によって培われた感によって将来を見通すのです。SWOT分析だけでは将来の見通しは立てられません。
さて、「やってみなくちゃわからない」ことをやってみるには、度胸が必要です。なぜなら、もしうまく行かなかった場合には、多大の損失(リスク)を負うことになるからです。そこで、リスクがどの程度のものになるかを予め推定しておく必要があります。
リスクが定量化できれば、失敗した場合の損失金額を推定すれば良いと思います。1年間の稼ぎがなくなってしまうのか、これまでの長年の稼ぎ(内部留保)がすべて飛んでしまうほどなのか、それとも会社が倒産してしまうほどなのか、です。
1年間の稼ぎがなくなる程度ならば、躊躇することなく実施すべきであるし、これまでの稼ぎが飛んでしまうほどであっても、一か八かで実施すべきです。しかし、会社が倒産してしまうほどであれば、実施すべきではないと筆者は考えます。なぜなら、会社が存続できれば再度挑戦できるからです。
最終的に戦略を決めるのは社長です。社長は役員全員の反対を押し切ってでもイノベーションを実施しなければなりません。そのため、将来を見通す感とリスクを冒す度胸が必要なのです。
さて、再確認ですが、経営戦略は役員会(取締役会)などの多数決で決めるものではありません。多数決では良くも悪くもない戦略、つまり無難な戦略になってしまうからです。つまり、リスクを冒して画期的な新製品を開発したり、画期的な新事業を開発したりするイノベーションなどできないからです。無難な戦略を繰り返していては、せいぜい現状維持で会社の成長・発展は望めません。
どのようなイノベーションを実施するのかを経営戦略として決定するには、まず、戦略ドメイン(生存領域、事業領域)を設定し、この領域の中でどのようなイノベーションを実施するかを決めます。
次に、それがこれまでにない画期的なもの、すなわち革新かどうかを判定します。業界として、革新であると判定されればイノベーションとして取扱いますが、革新でないと判定されれば通常の業務として取扱います。
次回は戦略ドメインの設定方法について説明いたします。
本書はイノベーションの方法を書いたものではありませんし、新製品開発や新事業開発の方法を書いたものでもありません。ITを使わないで、頭を使って業務効率化、及び業務改革を行う方法を書いたものです。
しかし、新製品開発や新事業開発を行う際に役に立つ、空白市場(ブルー・オーシャン)の探し方について書いておこうと思います。なぜなら、どのようなイノベーションを実施すべきかを決める際に役に立つと思われるからです。
筆者は1983年に、一部上場企業における製品開発のコンサルティングで、「空白市場の探索方法」について初めて具体的に提案・助言をしました。その後、バージョンアップしたものをいくつかの企業で提案・助言しています。また、1996年から、弊社ホームページでその方法を掲載しています。ブルーオーシャン戦略が発表されたのは、2005年です。
筆者の空白市場の探索方法は、一言で言えばシナジー(相乗効果)のある、既存市場の隣の市場を探すことです。その方法は、まず、既存市場の製品、用途、顧客の3つをセグメントし、これらを組み合わせて3次元マトリックスを作成します。これを市場セグメント、又は市場マトリックスと呼びます。
すると、これら3つの側面から既存市場が確認できると共に、新市場(空白市場の予備軍)が見えてきます。そこで、これら予備軍の1つひとつを調査して、空白市場を探すのです。
本来、市場とは経済学的に言えば、「需要と供給の場」のことを言います。つまり、需要と供給とが出会う場を市場と言うのです。
よって、筆者の言う市場セグメントとはマーケティングにおける市場セグメント(細分化)とは異なります。筆者の言う市場セグメントとは、製品のセグメント、顧客のセグメント、そして製品と顧客とを結びつける用途のセグメントを行い、これら3つを組み合わせて1つの3次元マトリックスにしたものです。例えて言えば、大きなルービック・キューブのようなものです。
市場マトリックスが出来ましたら、まず、その中で現在存在している既存市場を塗りつぶしていきます。すると、塗りつぶされなかった市場が空白市場の予備軍となりますから、次に、これらの空白市場予備軍の1つひとつを調査して、顧客の欲求やニーズを確認し、製品化できるかどうかを検討し、可能性があれば製品開発をするのです。
ここで重要なのは、セグメントする方法です。細分化ではなく、分類・体系化です。細分化と分類・体系化の違いは、細分化は文字通り細かく分けるだけですが、分類・体系化は細分化するだけでなく拡大化もできるのです。したがって、分類・体系化の視点(切り口)をいろいろと変えることによって、空白市場が発見できるのです。
製品分類を行うだけで新製品が見えてきますし、用途分類を行うだけで新用途が見えてきますし、顧客分類を行うだけで新規顧客が見えてくるのです。そこで、シナジー(相乗効果)のある既存市場の隣の市場を狙うのです。
そして、隣の市場をターゲットにして製品開発、用途開発、顧客開拓などを行えば、シナジーがあるので成功する確率が高いのです。このことを筆者は、「隣の客は良く買う客だ」と言っています。
例を挙げれば、車を分類・体系化したものと、車の用途を分類・体系化したものをマトリックスにするだけで、通勤用の車の市場が存在しない(空白である)ことが発見できます。通勤用の車とは1人乗りの車のことです。通常、通勤には1人しか乗りませんので、通勤用の1人乗りの車が存在しないのです。
現在、多くの人が通勤に車を使っていますが、ほとんどが5人乗りの車です。このため通勤時間帯に道路が混んでしまうのです。みんなが1人乗りの車を使えば、道路が相対的に広くなり、道路の混雑がなくなりますので、通勤時間を短縮することができます。
通勤時以外でも、5人乗りの車に2人以上で乗る割合と1人で乗る割合を比較すると、1人で乗る割合の方がはるかに多いのです。おそらく、1人で車に乗る割合は80%以上でしょう。
車を分類・体系化するというのは、乗用車だけでなく、トラック、バス、バイクなども車ですから当然含まれます。次に、用途分類をすれば、通勤だけでなく、旅行、ドライブ、荷物の配達などもあります。製品、用途、顧客をそれぞれ分類して組み合わせれば、お隣さん市場がたくさんあることが分かります。よって、空白市場を探すことが簡単にできるのです。
例えば、小型のバイクで荷物を配達するのは、郵便配達、新聞配達、ピザの配達などいろいろあります。バイクの欠点は、寒い日、雨の日、風の強い日などには運転しにくいので使いたくないことです。1人乗りの荷物配達用の小型の車を開発すれば、寒い日、雨の日、風の強い日などにはバイクを使わないでこの車を使うようになると思います。
また、若者向けの2人乗りのスポーツタイプのバイクに防雨・防風・防寒用のフードをつけて、しかも安定性を高めた4輪の車にすればバイクに乗っている若者がみんなこの車に乗り換えるかもしれません。
さて、製品分類を見ると車の隣には飛行機がありますが、車と飛行機の両方の機能を備えた車もあります。それは、空を飛ぶ車です。エアーモービル(Air Mobile)と呼ばれていました。
エアーモービルは、現在、各国で開発が進んでいる大きなドローンのような、「電動垂直離着陸機」とは異なります。道路を走る普通の車が空も飛ぶのです。したがって、外観は普通の車と同じです。羽もプロペラもついていません。ジェット噴射によって道路を走り、また空を飛ぶのです。
実は、筆者は中学1年生の時、昭和33年に東京晴海(現在のビッグサイト)で行われた国際見本市でエアーモービルを見たのです。遠くの方から2人乗りの真っ赤なスポーツカーが走ってきて、ちょうど目の前で停車しました。
かっこいい車だなと思って見ていると、ひときわ高いエンジン音がして、ゆっくりと浮き上がったのです。そして、見上げるほど高いところまで上がって行って、上空でぐるっと一周してから下りてきました。そして、走り去ったのです。アメリカ空軍が開発したらしいです。
この時私は、あと数年すれば、現在の車はすべてエアーモービルに変るだろうと思いました。こんな便利なものはないと思ったからです。道路を走っていて渋滞すれば、空を飛べばよいのですから。
また、道路を走っていて川に出たら、橋がなくても川を飛び超えることもできますし、海に出たらそのまま海の上を飛んで行けます。要するに、陸上と空だけでなく、水上も移動できるのです。海に囲まれた日本では、このような車が必要なのです。
既に、このような便利な車が開発されているのに、なぜ、未だに普及していないのでしょうか。私には分かりません。技術的な問題があるのか、それとも国の縦割り行政が邪魔しているのか分かりません。
ついでですが、もう1つ筆者が高校生の時に考えた自動車があります。実は、当時は自動車がまだ開発されておりませんでした。当時の車はすべてが、「手足を動かして運転する手動車」でした。ちなみに、現在でもまだ自動車になっていません。手動車です。そこで、筆者は文字通り、自ら動く自動車を考えたのです。
一般道路を走る時には手動車なのですが、幹線道路に入ると自動車に切り替わります。幹線道路には配線がしてあって、その線から電波をうけて目的地に向かって走ります。車の前後、左右はセンサーによって常に一定の車間距離をとるようになっているので、絶対に自動車同士がぶつかることはありません。
幹線道路に入ったら、手足を使って運転する必要がないので、車の中で朝食を摂ったり、コーヒーを飲んだり、新聞を読んだりできます。そうこうしているうちに、目的地に近づくと、まもなく手動車に切り替わることを知らせてくれます。そして、手動車に切り替わったら一般道路を手動で走って目的地に行くのです。
さて、筆者の空白市場(ブルー・オーシャン)の探索方法を御社でも試してみて下さい。どのような製品やサービスでも空白市場が簡単に見つかるはずです。具体的には弊社ウェブサイトの商品開発・製品開発のページをご覧ください。
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