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開発&コンサルティング

3-9 ムダな書類・ファイルとムダな会議・打ち合わせの廃止・削減

1.ムダな書類・ファイルが増える理由と廃止・削減の考え方と方法

業務遂行のアウトプットとして書類・ファイルを作成することが多いので、ムダな書類・ファイルを廃止・削減すればムダな業務も廃止・削減できます。ところが、実際には書類・ファイルはなかなか廃止・削減できません。では、なぜ廃止・削減できないのでしょうか。その理由と廃止・削減の考え方や方法について箇条書きで書いておきますので、参考にしてください。

<ムダな書類・ファイルが増える理由>

  1. 業務の目的・役割・方法が不明確だから
  2. 何でも知っておきたい、見ておきたいから
  3. 個人的資料(私料)を欲しがるから
  4. 使わない資料(死料)を捨てないから
  5. 年配者は捨てないことを美徳とするから
  6. 集めるのが好きだから、収集が趣味だから
  7. なんでも自分の手元に置いておきたいから
  8. 書類・ファイルを作れば仕事が終わったと思うから
  9. 書類・ファイルを作って渡せば責任転嫁できるから
  10. 書類・ファイルの作成コストを知らないから

<ムダな書類・ファイル廃止の考え方と廃止する書類・ファイル>

  1. 清書した原稿など用済みのもの、重複しているもの、
  2. 1年以上使わないもの(法律で保存が義務化されているものは除く)
  3. 目的・役割を果たしていないもの
  4. 対策・実行を伴わないもの、単に知っておきたいだけのもの
  5. 同じ目的の類似書類・ファイル
  6. タイミングの遅れているもの
  7. 共有する書類・ファイルのコピー
  8. 社内だけで使う依頼書・伺い書(口頭またはメモにする)
  9. 社内で使う清書したもの(今後清書しない)
  10. 一部修正なのに作成し直したもの(今後、作成し直さない)
  11. 社内だけで使う指示書・命令書・連絡書・通達など(今後、メール、掲示、口頭などにする)

<ムダな書類・ファイルを削減する方法>

  1. メモ書き、箇条書きにする
  2. 目的、結論など、必要事項だけにする
  3. 記入項目を標準化・様式化する
  4. 図表、グラフを活用する
  5. 発行回数を減らす
  6. 記入内容を略号、記号化する
  7. 配布先を限定しコピー枚数を削減する
  8. 類似書類・ファイルはまとめて種類を減らす
  9. 計画数字は概算とする
  10. 実績数字は有効数字で計算する。無効数字まで計算する必要はない。
  11. 会議議事録は1枚にする
  12. 報告書は1枚にする
  13. 起案・稟議書は清書しないで原稿のままとする
  14. 新聞・雑誌は回覧しない、必要な情報はその部分だけ掲示する

2.トヨタ自動車のムダな書類削減事例

昔、トヨタ自動車が自工と販社とに分かれていたころの話です。トヨタ販売では石油ショックのあおりを受け、業績が落ち込んでいました。その原因を調べてみると、売上の低迷だけでなく、コストアップとなっていることが分かりました。

そこで、さらにコストアップの原因を調べてみると、ムダな業務が多く、その結果としてムダな書類が大量に作成されていることが分かりました。そこで、何度も書類削減の指示を出して削減を図ったのですが、一向に効果があがりません。

なんとしてでも書類を削減しないと会社がつぶれてしまう、という危機的状況にあることを知った常務は思い切った手を打ちました。ある日の朝、社員全員を集めて次のように宣言したのです。「今日から、一旦ロッカーから取り出して使った書類は、二度とロッカーにしまわないで、机の上や机の周りに置いておいてください。半年後にロッカーの中にある書類は全て焼却処分します。」

社員たちは、常務が馬鹿なことを言い出したぞ、と本気にしませんでした。しかし、常務は、毎月、各部署を抜き打ちチェックして回りました。一旦、ロッカーから取り出して使った書類をロッカーに戻していないかどうかをチェックしたのです。そして、毎月、あと◯ヶ月だぞ、と言って回ったのです。そして、ついに半年が経ちました。

約束の日(土曜日)に、常務は各部署のロッカーを封印して回ったのです。その土曜日に休日出勤して働いていた人たちは、「ちょっと待ってください、中の書類を調べさしてください」と言ったのですが、常務はその言葉を無視して封印し、封印を解いたものは厳罰にすると言ったのです。

翌日の日曜日に、常務は業者に頼んで、各部署のロッカーを全て中庭に運び、ロッカーの中の書類を全て取り出して、中庭の真ん中に山済みにしました。

月曜日の朝、社員が出社し、状況を知って驚きました。しばらくして、社員全員、中庭に集まるようにという社内放送がありました。全員が中庭に集まると、常務は社員全員が見ている前で、山済みになった書類にガソリンをかけて火をつけたのです。最初、社員たちは冗談だろうと思っていたのです。まさか本当に火をつけるとは思っていなかったのです。

山済みになった書類は燃え始めました。最初のうちは、まだ、小さな炎だったのです。次第に大きな炎になって、炎が空高く登り、書類は燃え盛るようになりました。書類の山の周囲にいた社員たちは次第に体が熱くなって後ずさりし、遠巻きになって燃え盛る書類を唖然として見ていました。

しばらくは黙っていたのですが、炎がバチバチという音と共に大きくなるに従い、次第に気持ちが高ぶってきて、興奮し、口々に叫び始めました。

「明日から仕事ができねぇぞ!」「常務っ、おまえは会社をつぶす気か!」「バカヤロー!」「死んじまえ!」 人間は火を見ると興奮するのです。

女子社員の中には泣きだす者もいました。つられてあちこちで泣く人が増えてきました。そして、泣き声も次第に大きくなりました。男の叫ぶ声と女の大きな泣き声とが入り混じって、異様な状況になりました。

燃えるものが燃え、次第に火が小さくなって行きました。火が小さくなるにしたがい、社員の興奮もしだいに覚めていきました。そして、火が鎮火して、社員の声が聞こえなくなると、常務は静かな口調で次のようなことを話しました。

ここにあった書類の中には非常に重要な書類も混じっていたと思います。しかし、これらの書類は半年間使わなかったものです。したがって、少なくとも半年間は要らなかった書類です。これらの書類がなくても半年間は仕事ができたのです。皆さんも承知しているように、会社は現在、非常に苦しい状況にあります。赤字が続いています。

赤字の原因を調べたところ、皆さんがムダな仕事をし、ムダな人件費を多く使っていることが分かりました。しかし、人件費を削減するために社員の皆さんを解雇するわけにはいかないのです。

それで、これ以上ムダな仕事をしないように、ムダな書類を作らないように、皆さんに何度もお願いしました。ところが、いつまで経っても書類が減りません。そこで、このようなことをしました。どうしても分かって欲しいのです。ムダな書類を絶対に作らないでください。ムダな仕事を絶対にしないでください。利益を生み出すような仕事をしてください。お願いします。

社員たちはこの話を聞きながら、自分たちが間違っていたんだということを悟りました。

中庭に運んだロッカーは数百本、燃やした書類は4トントラックで数十台になったということです。余分なロッカーは全て処分し、各部署はその分広くなって仕事がしやすくなったということです。その後、社員たちは二度とムダな仕事をしないように、書類作成基準を作り、徹底しました。そして、ついに赤字を解消し、黒字に転換することができたのです。

3.ムダな会議・打ち合わせが増える理由と廃止・削減の考え方と方法

日本の企業は外国の企業に比較して会議・打ち合わせが非常に多いです。それは集団主義に基づき業務を行っているからです。つまり、何でもみんなで話し合って決めるのです。会議・打ち合わせは、本来、意見交換を行って意思決定をするために行うので、もし、会議・打ち合わせが不要となれば意見交換に必要な時間も不要となり、結果として意思決定のスピードが速くなるのです。

<ムダな会議・打ち合わせが増える理由>

  1. みんなで決めれば間違っても怖くないから、みんなで実行すれば誰の責任にもならないから。
  2. 「会して議せず、議して決せず、決して行なわず」この標語のとおりだから。
  3. 日本の企業はすべて、集団主義により、ホウレンソウ(報告、連絡、相談)を大事にしているから。

<ムダな会議・打ち合わせとは>

  1. 目的・主催者が明確でない会議・打ち合わせ。
  2. 目的を果たしていない会議・打ち合わせ。
  3. 決定のための会議・打ち合わせになっていない会議・打ち合わせ。
  4. 会議日時を決めるためのスケジュール調整に時間をかけている会議・打ち合わせ。
  5. 事前に議題に係わる必要情報を出席者に伝えていない会議・打ち合わせ。
  6. 会議・打ち合わせ開始前に出席の督促をしている会議・打ち合わせ。
  7. 会議・打ち合わせ開始時に、議題、決定すべき事項、次第(プログラム)、終了予定時間などを明確にしていない会議・打ち合わせ。
  8. 出席者全員が発言していない会議・打ち合わせ。
  9. 会議・打ち合わせ終了時に、決定事項、実施事項、実施責任(担当)者、実施期限を明確にしていない会議・打ち合わせ。
  10. 会議・打ち合わせに集中できる環境になっていない会議・打ち合わせ。

<廃止する会議・打ち合わせ>

  1. 目的・主催者が不明確な会議・打ち合わせ。
  2. 目的を果たしていない会議・打ち合わせ。
  3. 何も決定していない会議・打ち合わせ(単なる連絡・報告など)

<回数を減らす方法>

  1. 定例ではなく、必要の都度とする。
  2. 会議室を減らす。
  3. 会議室の使用料を取る。

<出席者を減らす方法>

  1. 付き合い出席は止める。
  2. 決定に必要な人だけが出席する、出席者の職位は関係ない。
  3. 発言しない人、意見のない人は出席しない。

<会議・打ち合わせ時間を減らす方法>

  1. 年間スケジュールを決めておき、会議・打ち合わせの都度行うスケジュールの調整時間を減らす。
  2. 事前に、議事内容に関わる必要情報を出席者に伝えておき、予め意見を決めておいてもらう。
  3. 会議・打ち合わせの時に、配布資料の説明・読み合わせなどをしない。
  4. 開始時間になったら始める。遅れたものは無視する。
  5. 会議・打ち合わせ中は関係者以外の入室を禁止する。緊急時以外、電話連絡、メモの届けを禁止する。
  6. 決定のための議論に集中する。枝葉末節の議論は無視する。
  7. 2時間マックスとする。
  8. 午前11時にスタートし、12時に終了、とすれば1時間で終わる。腹が減れば会議を止める。
  9. 終了予定時間になったら、他の予定の仕事をしてもらうため退席を許可する。

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