1.目的
- 競合他社との価格競争に勝利するために製品のコスト削減を行う。
- 価格(コスト)競争力を強化するためにコスト削減技術を習得する。
2.コスト削減目標
各製品の直接原価の10%~15%とする。なお、具体的な目標数字は別途検討して製品ごとに決定する。
3.基本的考え方
- いずれの取扱製品も部品点数が数点と少なく、一般にはコスト削減余地があまりないと思われるので、徹底的なコスト削減を試みる。このため弊社独自開発によるVVE(Valid Value Engineering)を適用する。VVEとは、VE(Value Engineering:価値工学)を基に改善・開発したものであり、VEの短所を排除し、長所をより強化した技術である。また、VEの生産者思考の側面を顧客思考に変換した技術でもある。(Valid:確実な、正当な、有効な)
- VVEの目的はVEの目的(商品価値の向上)と同一であるが、基本的な考え方及び手法は異なる。VEの基本的な考え方の式、V=F/C(商品価値は機能とコストとの比で表され、機能に比例しコストに反比例する)をVVEは否定している。なぜなら、顧客はこのようには考えないから。
- 顧客は、商品価値は機能に比例するが、価格(コスト)には反比例しないと考える。つまり、商品価値と価格(コスト)とは無関係であると考える。なぜなら、全く同じ商品が異なる価格で別の店で販売されていても、商品価値は変わらないからである。このために、顧客は商品価値と価格とを比較検討して購入するか否かを決定するのである。
- 顧客は商品そのものを求めているのではなく、商品から得られる効用(便益)を求めているのである。そして、効用(便益)の大きさが大きいほど商品価値が高いと判断する。また、効用(便益)の大きさは商品が備えている機能が果たす高さ(機能の達成度)に比例する。
- よって、効用(便益)を生み出す商品の目的(存在理由、使用目的、用途など)と商品が備えている機能の研究を行い、顧客が求める機能が過不足なく備わっているか否かを検討する。そして、無用機能,過剰機能,重複機能などの不要機能が発見されれば、それらの機能を削除することによりコスト削減が可能になる。また、不足機能が発見されれば、それを追加することにより商品の改良・開発が可能になる。
- また、必要機能を果たす具体的な方法の調査探索を徹底的に行い、これらの調査結果を基に新しい方法についてアイデア発想を行い、コスト削減を図る。
- さらに、機能の達成度が顧客の求める高さであるかを測定・確認し、そうでなければ、さらにコスト削減あるいは改良を行う。
4.推進組織と推進メンバーの役割
製品種類が多いため、製品カテゴリー別に複数のプロジェクトチームを編成し、それぞれのチームが活動プログラムに沿ってコスト削減活動を行うとともに、以下のような推進組織の基で活動を推進する。なお、この推進組織の他に、設計、製造、購買、技術、営業などの実行部門(既存組織の各部門)にも協力いただく。
- 推進委員会:
- 役員などで構成し、推進委員長を○○取締役、議長を事務局長兼任とする。PJチームの決定及びPJメンバーの選任を行うとともに、活動推進上の問題解決に当たる。また、活動にかかわる実行部門への実行指示及び費用支出(製品試作など)の決定などを行う。
- 推進事務局:
- 事務局長および事務局員で構成し、活動推進上の事務処理を行う。事務局長は推進委員会の議長を兼務し、推進委員会に推進上の問題を提起する。事務局員は各PJチームにそれぞれ1名を置き、PJメンバー(兼任)として活動に参加する。なお、事務局員は半専任(全業務量の約50%)とする。
- PJチーム:
- 製品カテゴリー別にPJチームを編成する。各PJチームはチームリーダー及びチームメンバーで構成し、活動プログラムに沿って活動を行う。チームリーダー及びメンバーは、設計、製造、購買、原価計算、技術調査、市場調査、アイデア発想などができる人たちで構成する。よって、各チーム7名~10名程度となる。なお、チームリーダー及びメンバーは半専任(全業務量の約50%)とする。
- 各実行部門:
- 各実行部門は、PJチームメンバーの選出、PJチームが発想したアイデア・構想案の評価検討、試作検討、技術調査、市場調査、テストマーケティングなどを行い、活動を支援する。
- コンサルタント:
- 本活動についての考え方・進め方の具体的な提案・助言・指導の他、活動全体の推進に関する提案・序言を行う。
5.活動の進め方
- 製品カテゴリー別に代表的な製品を選定し、それらにVVEを適用してコスト削減を行うとともに他の製品へ波及させる。代表的な製品に対してコンサルティング活動を行い、他の製品への波及は各チームの自主活動とする。
- 毎回、定期会合の前後に30分程度事務局とコンサルタントとの打ち合わせを行う。
- 月に二回、定期会合を行い、活動プログラムの説明及び実習を行う。定期的な会合と会合の間(2週間)に各チームで自主的な会合を持ち、実践作業(宿題)を行う。また、定期的な会合と会合の中間にメール、ファックスなどの通信手段を用いてコンサルタントが中間フォロー(質疑応答など)を行う。なお、説明・実習は1日6時間程度とする。
すなわち、説明・実習⇒実践作業(2週間)⇒説明・実習⇒実践作業(2週間)という具合に進める。
6.プラグラム概要
活動ステップ | 概要とアウトプット |
第1回 キックオフ(関係者全員参加) 前提条件の設定 | ・活動の考え方・進め方の理解と意識の統一 ・対象製品の選定 ・対象製品に対する情報収集と前提条件の設定 ・前提条件一覧表作成 |
第2回 構成部品別コストの算定 | ・構成部品別コストの算定 ・構成部品別コスト集計表作成 |
第3回 機能分析 | ・機能的見方の習得 ・機能体系図作成 |
第4回 機能別コスト分析 | ・機能別コスト分析 ・機能別コスト集計表作成 |
第5回 機能別方法調査 | ・機能別方法調査 ・機能別方法一覧表の作成 |
第6回 目標コストの算定 | ・機能別目標コストの算定 ・機能別目標コスト一覧表作成 |
第7回 アイデア発想 | ・アイデア発想 ・アイデア一覧表作成 |
第8回 アイデアの評価検討 | ・実行部門がアイデアの評価検討 ・アイデアに対する課題抽出 ・アイデア評価表作成 |
第9回 機能別構想案の作成 | ・アイデアに対する課題の克服検討 ・機能別構想(ミニマムコスト)案作成
|
第10回 機能別構想案の評価検討 | ・実行部門が機能別構想案の評価検討 ・試作実施及び課題抽出 ・テストマーケティング実施及び課題抽出 |
第11回 全体構想案の作成 | ・課題の克服検討 ・製品全体の構想案作成 ・全体構想図面作成 |
第12回 コストダウン成果の確認 報告会(関係者全員参加) | ・コストダウン成果の集計 ・生産・販売計画の作成 ・活動報告書作成 |
※プログラムの詳細は御社と協議のうえ決定する。
費用
別途見積書参照
Ⓒ 開発&コンサルティング